カテキンについて

カテキンの効果

お茶に含まれる主なカテキン類

1. エピカテキン(EC)遊離型
2. エピカテキンガレート(ECg)エステル型
3. エピガロカテキン(EGC)遊離型
4. エピガロカテキンガレート(EGCg)エステル型

お茶はカテキン類を豊富に含む食品の代表選手で、苦味、渋味の素となっています。緑茶ではエピガロカテキンガレートの量が一番多く、全カテキンの約半分を占めます。

遊離型カテキン は苦味はありますが、渋味はほとんどなく、穏やかな味で、後味に甘さを感じさせる性質があると言われています。

エステル型カテキン は舌を刺すような強い苦味と渋味を持ちます。

いずれも、冷たい水には溶け出しにくい性質があり、特にエステル型は低温で溶け出しにくいので、冷茶では苦味、渋味が少なくなります。

“カテキン”で感染能力100分の1以下
京都医大発表(2021年6月17日)

強力な治療薬の開発につながるかもしれません。感染を防ぐ「スーパー中和抗体」の作製に成功しました。

 富山大学理事・北島副学長:「現時点では最も理想的なスーパー中和抗体がとれた。重症化を予防することができる、非常に有効な抗体」

 従来型の新型コロナウイルスだけでなく、イギリス型やインド型などの感染を防ぐことができるというスーパー中和抗体の作製に成功したのは、富山大学の研究グループです。

 研究グループは、中和抗体の量が特に多い回復患者の血液から「B細胞」と呼ばれる、抗体を作る細胞を取り出しました。

 このB細胞の遺伝子を組み替えて、複数の変異型を防ぐ、スーパー中和抗体の作製に成功しました。

 富山大学理事・北島副学長:「たくさんのステップを踏んで、何回も繰り返しながら、多数の検討をした時に、唯一1個だけ、すごい抗体がとれました」

 スーパー中和抗体は、患者が重症化する前に投与すれば、ウイルスが増殖するのを抑える「治療薬」として期待できるということです。

茶カテキンがコロナウイルス抑制
“含み飲み”飛沫感染リスク低下

わたしたちに身近な「お茶」が、新型コロナウイルスの感染拡大の抑制に効果的との研究結果が明らかになった。

日本人の生活に欠かせないお茶。

京都府立医科大学大学院の松田教授らの研究グループは、お茶に含まれるカテキン類が、変異株ではない従来型の新型コロナウイルスの感染能力を低下させることを確認したと発表した。

京都府立医科大学大学院 医学研究科 免疫学・松田修教授「新型コロナウイルスにお茶を添加すると、感染力がなくなることを試験管内では確認」

試験管を使った実験で、健康な人の唾液に新型コロナウイルスを加えると細胞がほぼ全滅してしまう一方、同じものに緑茶を加え10秒後に計測すると、ウイルスを感染させる力が100分の1以下になったという。

松田教授によると、感染予防や治療への効果は薄いものの、感染した人がお茶を飲むと唾液の中のウイルスが弱まり、周囲の人に飛沫(ひまつ)感染させるリスクを下げる可能性があるという。

京都府立医科大学大学院 医学研究科 免疫学・松田教授「緑茶に含まれるカテキンに似た効果のある物質が、紅茶、ほうじ茶に含まれている。“含み飲み”という言い方になる。口の中に10秒間程度、頬や舌の下に行き渡らせてから飲む。ただ単に飲むよりは、その方がいいと思われる」

効果の継続時間などはわかっていないという。

現在は、人体でも有効か、軽症のコロナ患者で臨床実験を行っているという。

※FNNプライムオンラインより

カテキンの抗酸化作用

カテキン類の健康効果の中で、特に大きいものは抗酸化作用です。カテキン類は活性酸素が人体の組織を攻撃するのを食い止め、病気に発展するのを防ぐ働きがあります。その抗酸化力はビタミンCやビタミンEの数倍から数十倍になると言われています。

抗酸化作用はすべての病気につながるとまで言われる重要な作用です。体内の「酸化」と呼ばれる減少を抑えて、組織が老化するのを防ぎ、免疫力を保つ事につながるからです。

人は呼吸により酸素を体内に取り込んで行きています。酸素は最終的に二酸化炭素や水として体外に排出されますが、精神的・肉体的ストレスを強く受けたり、強い紫外線を浴びたり、喫煙したりすると、酸素の代謝がスムースに行われなくなり、一部が体内で「活性酸素」になります。この活性酸素は「悪玉酸素」とも言われ、反応性が高くて無差別に体内の組織を傷つけます。この状態が続くと生活習慣病や老化が起こりやすくなります。例えば、血管の組織が酸化されると、血管の柔軟性が失われて動脈硬化が起こりやすくなります。

お茶には、この酸化を抑える作用が認められています。お茶に豊富に含まれるカテキン類が、活性酸素が出来るのを防いだり、発生した活性酸素を消したりする働きを持っているからです。

カテキンが口腔がん細胞を破壊する?!

緑茶の抗がん作用についてはこれまでにもいくつかの報告がなされていますが、米ペンシルベニア州立大学の研究により、緑茶に含まれるカテキン、EGCG(エピガロカテキンガレート) に口腔がんのがん細胞を死滅させ、正常細胞の防御機能を活性化する作用があることが新たに分かりました。

カテキンの効果

細胞の酸化・抗酸化反応を比較

これまでの研究で、EGCGが口腔がんの細胞を死滅させるのに、健康な細胞は傷つけないことが分かっていたのですが、その理由が何なのかこれまで判明していませんでした。

研究チームは人間の正常な口腔細胞と、がん化した細胞を用意し、緑茶ガムを噛んだとき唾液に含まれる濃度のEGCGを与えて、それぞれの細胞が酸化するプロセスと、抗酸化反応について観察しました。

酸化ストレスは細胞死につながる

細胞の小器官であるミトコンドリアは呼吸やエネルギー代謝に関与し、代謝の副産物として活性酸素種を放出。この活性酸素種が増えすぎると細胞の構造にダメージを与え、そのままミトコンドリアの崩壊が続くと、抗酸化遺伝子の発現が低下し、最終的に細胞死につながります。

EGCGはがん細胞の酸化ストレスを促進

実験でEGCGを与えられた口腔がん細胞では、これらのプロセスが促進されており、EGCGが酸化ストレスを誘発すると同時に、酸化に対する防御機能(抗酸化反応)を低下させていることが示されました。

正常細胞では抗酸化作用が促進

一方、正常の細胞では酸化ストレスや防御機能の低下は認められず、むしろ防御機能が強化されていました。

EGCGが抗酸化反応のオンオフを選択?

研究者によると、こうした反応の違いには、抗酸化反応に重要な役割を果たすタンパク質、サーチュイン3が関与しており、EGCGは、がん細胞内ではサーチュイン3を「オフ」にし、正常な細胞では「オン」にしている可能性があるそうです。

副作用のない治療法の開発に・・・

今回の結果だけで「緑茶のカテキンががんに効く」とは言えず、動物実験をはじめ、さらなる研究が必要ですが、EGCGの効果が証明されれば、副作用のない治療法の開発につながる可能性があると、研究者は期待を寄せています。

※ペンシルベニア州立大学の研究結果は『Molecular Nutrition & Food Research』に発表されました。

9万人を追跡調査-がんセンター・東大

研究チームは全国の40~60代の男女約9万人を対象に、1990年から2011年まで追跡調査した。研究チームによると、緑茶を1日5杯以上飲む人は1杯未満の人に比べ、死亡リスクが男性で13%、女性で17%低かった。男性の脳卒中での死亡は24%低下していた。

研究チームの井上真奈美東京大特任教授は「緑茶に含まれるカフェインやポリフェノールなどの成分が、効果を発揮した可能性がある」と話している。(2015/05/11時事ドットコムより)

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