急須の選び方
日本茶を美味しく淹れるために欠かせない道具が急須です。急須は単なる茶器ではなく、お茶の味わいを大きく左右する重要な役割を担っています。ひとくちに急須といっても、その種類は実に多様で、素材、形状、サイズ、茶こしのタイプなど、さまざまな違いがあります。
急須選びで最も大切なのは、淹れるお茶の種類に合わせて適切なものを選ぶことです。玉露や煎茶のように、60~80℃程度の低温の湯でじっくりとうまみを引き出すタイプの茶葉には、少量ずつ丁寧に淹れられる小さめの急須が適しています。
一方、番茶やほうじ茶のように、熱湯で一気にうまみと香りを引き出すタイプの茶葉には、厚手で大きめの急須を選ぶとよいでしょう。厚手の急須は保温性が高く、大容量なので家族みんなで気軽にお茶を楽しむのに適しています。
このように、お茶の種類によって最適な急須は異なります。以下を参考に、ご自宅での使い方に合った急須を選んでみてください。
煎茶・玉露 → 小さめの急須(容量100~300ml程度)
番茶・ほうじ茶 → 大きめの急須(容量400ml以上)
- 【1】陶器製の急須を選ぶ
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陶器の急須は磁器の急須よりも吸水性・保温性に優れているため、お茶のアクがとれ、まろやかになります。また、使えば使うほどお茶の味が急須本体にしみ込み、より味わい深くなっていきます。
ポイント: 常滑焼や萬古焼などの陶器製急須は、特にお茶の旨みを引き出すことで知られています。
- 【2】すり合わせがよくできているものを選ぶ
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すり合わせとは、急須本体に合うフタを作るため、ひとつひとつ急須とフタを合わせ、ガタつきを無くしたものです。すり合わせをすることによって、密封度が高まり、余計な空気が入らないため、お茶本来の持つ味、香り、色を引き出すことができます。
さらに、急須を傾けてもフタと本体の隙間からお茶がもれることがなく、最後の一滴(ゴールデンドロップ)までしっかりと注ぐことができます。
確認方法: フタを閉めて軽く揺らしてみて、カタカタと音がしないものが良品です。
- 【3】茶こしの種類で選ぶ
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『金属製網型茶こし』
金属製の茶こしは陶製の急須に比べると味が少し落ちますが、陶製のものよりお手入れが簡単です。最近はこの網型の茶こしが多く使われています。茶葉の細かさによっていろいろな種類があるのも特徴です。
『カゴ網茶こし急須』
ステンレスカゴ網を装填した急須。網が取り外せるので、飲み終わった後の茶葉を捨てるのが簡単です。初心者の方やお手入れを重視する方におすすめです。
『帯網茶こし急須』ステンレス網を急須の側面全体に張りめぐらせたもの。茶葉全体にお湯が行き渡り、お茶の持つ本来の旨みを十分引き出し、最後の一滴のお茶まで楽しむことができます。
『陶製茶こし急須(セラメッシュ)』
金属製の茶こしと比べて目詰まりしやすいので、お手入れが少々面倒ですが、お茶の持つ本来の味わいを最も引き出してくれるのが陶製茶こしです。陶製なので金属臭がなく、お茶と急須が接する面積が広いため、お湯を入れたときに中の茶葉が急須の中で踊り、お茶の旨みを最大限に引き出します。
特におすすめ: 玉露や高級煎茶など、繊細な味わいを楽しみたい方に最適です。
- 【4】急須の容量で選ぶ
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使用人数に合わせて適切なサイズを選びましょう。
★100ml~200mlの急須:約1人~2人用
★201ml~340mlの急須:約2人~3人用
★341ml~480mlの急須:約3人~4人用
★481ml~600mlの急須:約4人~5人用
★601ml以上の急須:5人以上用
ポイント: 日常使いなら300ml前後、来客用なら400ml以上がおすすめです。
急須のお手入れ方法
日常のお手入れ
お茶を入れ終わったら、その都度お湯で洗い流し、茶葉を取り除いて清潔にしておくことが大切です。洗剤は使わず、お湯だけで洗うのが基本です。 自然乾燥される際には茶こしの中身に水がたまらないよう、蓋を取って逆向きにして乾かします。
茶しぶの掃除
長期間同じ急須を使用していると、急須の内側の茶こしや注ぎ口などに茶しぶが付着してきます。
掃除方法:
1. 急須の中にぬるま湯と酸素系漂白剤を少々入れる
2. 一晩置く
3. こびりついた茶しぶは柔らかいブラシで優しく掃除する
4. よくすすぐ
注意:塩素系漂白剤は陶器を傷める可能性があるため、酸素系漂白剤を使用してください。
乾燥方法
自然乾燥される際には、茶こしの中に水がたまらないよう、フタを外して逆さまにして乾かします。完全に乾燥させてから保管することで、カビや臭いの発生を防ぎます。
