日本のお茶の産地と銘柄・特徴

お茶畑の風景

日本全国のお茶産地には様々な銘柄のお茶があり、生産される地域や風土によって風味や味が異なります。ここでは、主要な産地の特徴と、全国の銘柄一覧をご紹介します。

日本の代表的なお茶産地と特徴


日本茶産地マップ
鹿児島茶(鹿児島県)

令和の統計で静岡県を抜き、生産量日本一となった最大産地。その強さは、桜島火山灰土壌の広大な「平坦地」にあります。大型の乗用型摘採機による効率的な栽培が可能で、後継者不足の影響を受けにくいのが特徴です。
温暖な気候を活かした「日本一早い新茶(大走り)」の産地としても有名。品種は「ゆたかみどり」や「さえみどり」などが多く、渋みが少なく甘みが強い、鮮やかな濃い緑色のお茶が特徴です。

鹿児島の茶畑
静岡茶(静岡県)

「お茶といえば静岡」と言われる、日本茶文化の中心地。生産量こそ2位になりましたが、流通・加工の拠点として圧倒的な存在感を誇ります。
静岡の魅力は、産地ごとの個性の豊かさです。「牧之原・掛川」などの平地では、葉肉の厚さを活かした濃厚な深蒸し茶が作られ、「川根・本山」などの山間地では、香りが高く透き通った味わいの浅蒸し茶(伸び茶)が作られています。どんな好みにも合うお茶が見つかるのが静岡茶の強みです。

静岡の茶畑イメージ
伊勢茶(三重県)

お茶の生産量全国第3位。実は、玉露と煎茶の中間にあたる「かぶせ茶」の生産量は全国1位を誇る隠れた名産地です。
三重県はお茶栽培の歴史が古く、平安時代から続くとも言われます。葉肉が厚く育つため、濃厚な滋味(コク)と、かぶせ茶特有のまろやかな甘みが特徴。二煎目、三煎目までしっかりと味が続く、力強いお茶として通に愛されています。

伊勢の茶畑
宇治茶(京都府)

高級茶の代名詞「宇治茶」。鎌倉時代から続く歴史を持ち、日本の茶文化発祥の地です。
生産量よりも品質を追求し、伝統的な「覆下(おおいした)栽培」を行うことで、直射日光を遮り、テアニン(旨味成分)を極限まで高めています。そのため、玉露や抹茶の品質は世界最高峰。煎茶であっても、出汁のような奥深い旨味と、上品な黄金色の水色(すいしょく)を楽しめます。

宇治の茶畑
八女茶(福岡県)

全国茶品評会で長年トップを独占し続ける、「玉露」の最高級産地です。
産地の中心である八女市星野村などは、昼夜の寒暖差が激しく霧深い盆地であるため、お茶の栽培に理想的な環境です。八女茶の特徴は、なんといっても「甘み」。渋みが非常に少なく、まったりとしたコクのある甘みは、一度飲むと忘れられないインパクトがあります。

八女の茶畑
狭山茶(埼玉県)
「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」

と歌われる関東の銘茶。「経済的北限(お茶栽培ができる北の限界)」に近い寒冷地のため、茶葉は寒さに耐えようと肉厚になります。
その厚い葉に、「狭山火入れ」と呼ばれる独特の強火焙煎を行うことで、他にはない濃厚な甘みと香ばしいコク(火香)を引き出しています。生産量が少なく希少ですが、熱烈なファンが多いお茶です。

狭山の茶畑

🍵 日本茶の生産量ランキング(最新)

1位
鹿児島県
「日本一の大産地」へ

平坦な地形を活かした機械化と、温暖な気候による「早生品種(ゆたかみどり等)」の導入が成功。令和6年の荒茶生産量で日本一を記録しました。

2位
静岡県
「不動の茶処・文化の中心」

栽培面積や流通の拠点としては依然として日本一。深蒸し茶から山間地の高級茶までバリエーションが豊富です。

3位
三重県
「かぶせ茶の名産地」

玉露と煎茶の中間である「かぶせ茶」の生産量は全国1位を誇ります。

※農林水産省「令和6年産茶の摘採面積、生葉収穫量及び荒茶生産量」より

💡 よくある疑問:「三大産地」と「三大銘茶」の違い

🍵 日本三大茶産地(生産量)
静岡県、鹿児島県、三重県
シンプルに「お茶の生産量(穫れる量)」が多いトップ3の県を指します。
※統計の年度により順位が入れ替わることがあります。
🏯 日本三大銘茶(ブランド)
静岡茶、宇治茶、狭山茶
生産量だけでなく、歴史や品質、知名度で評価された伝統的なブランドを指します。
古くから茶摘み歌で「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」と歌われ、それぞれに優れた特徴を持っています。

都道府県別 日本茶産地・銘柄

銘柄名をタップすると、そのお茶の「特徴」「主要品種」「気候風土」などの詳細情報が表示されます。

九州エリア(生産量日本一・品種の宝庫)
鹿児島県生産量1位
福岡県玉露最高峰
宮崎県釜炒り茶
佐賀・長崎玉緑茶
熊本県
東海・関西エリア(伝統と技術の中心地)
静岡県三大銘茶
三重県かぶせ茶1位
京都府宇治茶
滋賀県最古級
岐阜・愛知
奈良県
関東・北限・発酵茶(独自の進化と希少性)
埼玉県狭山茶
北関東
北限の茶
発酵茶・珍茶微生物発酵
その他

【希少茶】失われつつある原点の味「在来種(ざいらいしゅ)」

現在、日本のお茶の多くは「やぶきた」などの品種改良されたお茶(挿し木)ですが、古来より日本にあった「実生(みしょう)」のお茶をご存知でしょうか?

種から育ったお茶の木は「在来種」と呼ばれ、一本一本が異なる個性(遺伝子)を持ちます。畑には数百種類の異なるお茶の木が混在し、それが天然のブレンドとなって、力強く、どこか懐かしい「野性味あふれる香り」を生み出します。生産効率の問題から現在では極めて希少ですが、お茶本来の生命力を感じられる味として、今改めて注目されています。


空から見たお茶畑

静岡県掛川市に広がる茶畑の空撮動画です


世界のお茶産地

お茶はアジア・アフリカを中心に世界中で生産されています。「世界三大紅茶」や各地の銘茶など、個性豊なお茶をご紹介します。

中国の茶畑
中国(生産量1位)

世界最大のお茶生産国であり、お茶の発祥地。緑茶(龍井茶など)、ウーロン茶、プーアル茶など種類が豊富。世界三大紅茶の一つ「キームン」の産地でもあります 。

インドの茶畑
インド(生産量2位)

世界有数の紅茶生産国。濃厚なコクでミルクティー向きの「アッサム」や、マスカットのような香りで『紅茶のシャンパン』と呼ばれる世界三大紅茶「ダージリン」が有名です。

ケニアの茶畑
ケニア

アフリカ最大の紅茶生産国であり、輸出量は世界トップクラス。鮮やかな紅色の水色と、フレッシュで力強い味わいが特徴。多くはティーバッグ用の細かい茶葉として作られます。

トルコの茶畑
トルコ

一人当たりの紅茶消費量が世界一と言われる紅茶好きの国。二段式のポット(チャイダンルック)で濃く煮出した紅茶を、お湯で割りながら砂糖をたっぷり入れて楽しみます。

スリランカの茶畑
スリランカ

旧国名「セイロン」の名で知られる紅茶の名産地。世界三大紅茶の一つ「ウバ」や、「ディンブラ」「ヌワラエリヤ」など標高によって味が異なり、世界中で愛飲されています 。

ベトナムの茶畑
ベトナム

緑茶やジャスミン茶に加え、国花の蓮で香り付けした「蓮茶(ロータスティー)」が有名。濃厚なコーヒー同様、お茶も濃く淹れて甘い練乳を入れる飲み方もあります。

インドネシアの茶畑
インドネシア

ジャワ島などで作られる紅茶は「ジャワティー」として有名。渋みが少なく、すっきりとしたクセのない味わいが特徴で、食事に合うお茶として日本でも親しまれています。

台湾の茶畑
台湾

標高1000m以上の山で作られる「高山茶(阿里山・梨山など)」や、蜜のような香りの「東方美人」など、香り高いウーロン茶の名産地。茶器を使って香りを楽しむ工夫(聞香杯)も発展しています。




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