深蒸し茶の製造方法
深蒸し茶は、お茶の製造工程の第一歩である蒸熱を長くしたものです。普通煎茶の標準的な蒸熱の時間は30~40秒ですが、深蒸し茶はその2~3倍長く、60~120秒間蒸して作ります。さらに蒸す時間が長いものを「特蒸し茶」と言います。
深蒸し茶の製造工程はおおむね普通煎茶と変わりません。ただ、蒸す時間が長いと葉が柔らかく形が崩れやすくなるので、細かくなりすぎないように、撹拌(かくはん)しながら蒸すタイプの網胴回転撹拌式ではなく、ベルトコンベアー式の蒸し機が使われています。
長く蒸した葉には水分がたっぷりと含まれているので、粗揉工程ではより効率よく乾燥させる機械が必要になります。また、長い時間をかけて蒸す事で時間当たりの処理量が少なくなるので、ボイラーや蒸し機は処理能力が大きいものを選びます。
九州地方では、被覆栽培されたものを「深蒸し茶」としたり、蒸し機の回転数を極端に上げ、茶葉を粉砕したものを「深蒸し茶」といって販売している場合があるようです。
製造工程
- 【蒸し】
- 酸化を止めるために蒸します。(60~120秒)
- 【冷却】
- 急激に冷やし、水分を取ります。
- 【葉打・粗揉】
- 軽く揉みながら、さらに水分を減らします。
- 【揉捻】
- 揉み続けながら水分のムラをなくします。
- 【中捻】
- 軽く揉みながら乾燥させ、水分を均一に除いていきます。機械の揉み手で茶葉をよります。
- 【精捻】
- 熱と力を加えて茶葉の形を整えます。
- 【乾燥】
- 乾燥させ、保存しやすいようにします。
- 【火入れ乾燥】
- お茶の香りを引き出します。
- 【仕上げ機】
- 荒茶をふるい分け、形を整えます。
- 【選別】
- 粉や茎などの部分を選り分けます。
- 【ブレンド】
- 商品に合わせて組み合わせます。
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