お茶の成分《お茶のみ女子大学》

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はじめに お茶の歴史1 お茶の歴史2 お茶の品種 お茶の製法と種類 お茶の成分 お茶の効能・効果 お茶の育て方

お茶の成分

先生
今日はお茶の成分について教えよう。
知らなくても生きていくのになんの問題もないがのう・・・。
じゃ、知らなくてもいいや。
男子生徒
先生
まあ、そういうな。知識は力なり!人生死ぬまで勉強じゃ。
先生
お茶の味を構成する要素は「苦味、渋味、旨味、甘味」の4つ。成分で言うと苦味、渋味はカテキン類やカフェイン。旨味、甘味はアミノ酸類や糖類。それらの成分バランスによってお茶の味は違ってくるんじゃよ。
男子生徒
お茶の成分ってみんな同じじゃないの?
女子生徒
先生
いい質問じゃ。お茶の成分は摘採時期、品種、生育環境、製造方法の違いによって大きく異なるんじゃ。それから茶を淹れる時の温度によっても成分バランスは違ってくる。
摘採時期って?
女子生徒
先生
お茶は摘み採った時期によって一番茶(4月下旬~5月初旬)、二番茶(6月下旬~7月初旬)、三番茶(7月下旬~8月初旬)、四番茶(9月下旬~10月初旬)などと呼び方が変わるんじゃが、一番茶はアミノ酸類を多く含むため、旨味が多く、二番茶以降はアミノ酸が少なくカテキンが多いことから、さわやかな渋味があるんじゃ。
生育環境っていうのは?
女子生徒
先生
茶葉は日光を浴びると葉の中で「光合成」という働きが起こるんじゃが、その光合成が行われると渋み成分のカテキンが増加し、逆に遮光して光合成を抑えると カテキンの増加を抑え旨み成分であるテアニンの含有比率が増えるんじゃ。遮光して育てたお茶は玉露、かぶせ茶などと言う。あとは窒素系肥料を多く施すとアミノ酸の量が増え、旨味、甘味が増すんじゃ。
お茶を淹れる時の温度で成分バランスが変わるっていうのはどういうこと?
男子生徒
先生
うむ、お茶の渋味の元となっているカテキンは、80度以上の高温で、旨み成分のアミノ酸は50度以上の低温で溶け出しやすいとされておる。煎茶の場合、渋みを抑えて旨み成分を引き出すため70~80度で、旨み成分を引き出したい玉露は50度程度の低温でじっくりと、逆に香りが特徴の玄米茶・ほうじ茶などは、100度の熱湯を使用すると、香りや渋みの成分が引き立つんじゃ。
なるほど、自分でお茶を淹れるといつも渋すぎるのはそのせいなんだ。
もう少し低温で淹れたら渋味が抑えられるんだな。
男子生徒
先生
どうじゃ、わしの講義はためになるじゃろ。
さっきアミノ酸類って言ってたけど、類って何??
女子生徒
先生
細かいこと聞いてくるな・・・。
先生
お茶に含まれるアミノ酸類には、テアニン、グルタミン酸、アルギニン、グルタミン、アスパラギン酸、セリンなどがある。このうちもっとも多いのがテアニンでアミノ酸全体の約50%を占めるんじゃ。 グルタミン酸は、昆布などに含まれるうまみ成分として知られており、テアニンの30倍もの味の強さがある。
女子生徒
先生
お茶にはもうひとつ「ペクチン」という物質が含まれており、これ自体には特有の味はないんじゃが、お茶の渋みを抑える働きがあり、うま味や甘味を強調してくれるんじゃよ。
ふ~ん、「ペクチン」はなかなか渋い働きをするんだな。
男子生徒
先生
各種茶の細かな成分内容やビタミン含量を知りたい者は、資料室に成分分析表ある。参照ファイルお茶の成分分析表(PDF89KB)
緑茶の成分と効能の関係はこっちのページが参考になるので見に行くとよいぞ。
  • 緑茶の効能・成分表
  • 香り成分・水色

    先生
    次はお茶の香り成分についてじゃが、お茶には約300種類の香り成分が含まれていると言われておる。ところがその配合状態、バランスなどはまだまだ解明されておらんのじゃ。代表的な成分だけでもサラッと教えておこうかのう。
    女子生徒
    300種類!?・・・10種類くらいでお願いしますよ。
    男子生徒
    先生
    うむ、では黒板に書くので、ノートに写すように。
    お茶の香り成分の説明
    先生
    次はお茶の水色(すいしょく)成分について説明しよう。
    お茶の生葉の緑色は葉緑素(クロロフィル)の色で、お茶の水色を決める成分は、このクロロフィル以外に、フラボノール配糖体、フラボン配糖体(煎茶の黄色)、カテキン酸化物(焙じ茶の褐色)などがある。煎茶の水色は、明るい黄緑色で澄んでいて、濃度を感じさせるものが良いとされておる。
    男子生徒
    僕は濃いグリーンのお茶が好きだなあ。
    男子生徒
    先生
    深蒸し茶などの濃い緑色は茶の微粒子で、お茶の細かい粉末が多く懸濁している為、よく見ると濁って見えるんじゃ。最近では色がきれいに見えるように、煎茶や玄米茶に抹茶を混ぜたお茶も多い。これは抹茶の風味を加えるという意味もあるので、特別悪いことではないんじゃが、過去には色を綺麗に見せるために、着色料を使っていたケースもあったようじゃ。見た目に惑わされんようにな。
    私は・・・私の心のように美しく澄んだ水色のお茶がいいわ。
    女子生徒
    先生
    ...........
    先生
    お茶の重要な成分であるカテキンやクロロフィルは、熱や光、空気に触れると酸化したり他の成分と化学反応を起こし、赤みがかった色に変色してしまうんじゃ。だからお茶は、できるだけ涼しい所に保管し、小出しにして使うようにせんといかんぞ。釜炒り茶、番茶、ほうじ茶などは最初から赤みがかった色をしているので、問題はないがのう。
    女子生徒
    そういえばお茶は淹れてから時間が経つと赤っぽく変色するわね。
    女子生徒
    先生
    YES!市販されているペットボトルのお茶に、ビタミンCが入っているのは、変色を防ぐためなんじゃ。
    へえ~、緑茶ペットボトルのビタミンCって、栄養補給のために入れてるのかと思ってたけど、違うんだな。
    男子生徒
    先生
    勉強になるじゃろ。では本日の授業はこれで終わりじゃ。次行ってみよう~!

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